2017
スミタス溝ノ口/保育園併設シェアハウス
与えられた条件であった小規模認可保育園と29室のシェアハウスの組み合わせは、新しい建築のタイプとして大きな可能性を感じた。必要な3階建てのボリュームを立ち上げ、保育所を交差点に面した1階のコーナーに設定し、残りをシェアハウスとした。
保育所とシェアハウスへのアプローチは、思い切って大きなひとつの玄関とし、隣接するリビングスペースも共有させることにした。内部にも窓を設け、お互いの活動が垣間見える。保育所の先生がシェアハウスに住んだり、保護者が子供を送った後にお茶を飲んだり、もしかすると入居者が子供をあやしたりといった光景を見ることができるかもしれないと期待している。
2、3階にもタイプの異なる共用スペースを点在させ、大人数が快適に集まって住む事ができるように配慮している。2階の共用部はテラスと連続し、テラスは保育所の園庭も兼ねているため、ここでもふたつの機能が隣接し、混じり合っている。
個室は、扉の小窓や、窓周りにカスタマイズのきっかけとなるようなディテールを設定し、入居者の個性がファサードにも滲み出てくるように考えた。共用の玄関と共に、外観上も大きなひとつの家としてのイメージをつくりだしている。
location: Kawasaki, Kanagawa
program: nursery、shared house
total area: 649 m2
date of completion: February 2017
architect: studio niko (Naohiro Sasamoto, Kenya Sato), Daigo Ishii Design
structure engineering: Kotani Kenchiku Sekkei
mechanical engineering: EOSplus
photo: Kai Nakamura, studio niko