2019
ぴったり納まる暮らし/residence in Minamiaoyama
南青山にある築44年のマンションの再販物件。企画段階から、モノを持たない忙しい二人または一人暮らし、という限定したターゲットを想定して進めていくことになった。
50m2という限られた床面積の中で二人の人間がストレスなく暮らすため、設備コアを部屋の中心に置き、周りを回遊するプランとした。キッチンや洗面、寝室といった機能に付随する収納やデスクなどの家具を、全体のスケール感を壊さないように慎重に寸法を与えながら配置し、住み手はお気に入りのソファとダイニングセット、ベッドを持ち込みさえすればそのまま快適に住むことができる。
また、設備コアの壁は天井に達しないように独立させることで、全体のワンルームとしてのつながりを明確にし、コンクリートの界壁との違いを明確にしている。結果として、この規模のマンションにありがちな、暗い廊下や条件の悪い洗面室や風呂といったスペースを一掃し、どこにいても自然光や空気感を共有しながら住まうことができるようにしている。
最後に、設備コアの真ん中にノリ服部のデジタルペインティングを設置し、この家の重心としての役割を明確にした。
location: Minato, Tokyo
program: renovation, residence
client: Rebita 「暮らし発想」
total area: 50.17 m2
date of completion: October 2019
architect: studio niko (Naohiro Sasamoto, Kenya Sato)
art curation: studio niko (Kenya Sato)
contractor: Koushou Inc.
photo: Takuya Furusue