2015
55%の家/residence in sendai
ご自身も建設関係のお仕事をされているI様。自ら設計と施工に関わることで、一緒につくりあげたリノベーション住宅。もともとの間取りは3LDK。壁量を丁寧に引き算していくことで、風通し良く、ひとつながりの空間を実現。それぞれの居場所がパッチワークのように細やかにつながっている。天井面は梁を隔てて異なる仕上げに。羽目板とコンクリート染色の鮮やかなパターンが目に楽しい。
玄関入って右手には土間が延び、シューズクロークに。靴を脱いで上がると、収納力抜群のウォークインクローゼットへひと続きにつながっている。空間に切れ目がなく、みせる収納としてのディスプレイも楽しみの一つに。家の中央にはキッチンとカーペット敷の小上がりワークスペース。
手摺やルーバーは視点によって密度を変え、軽やかに領域をつくる。昼間はルーバーが太陽光をシャープに切り取り、室内に映し出す。
設計段階で生まれたコンセプトは「プロトタイプ」。自らの性格を「飽きっぽい」と語るI様らしく、セルフビルドで更新していくことの出来る、余白や遊び心を随所にみてとることができる。例えば、ルーバーで仕切られた境界に壁を入れて、プライベートな寝室とすることも可能。住居に対する作り手と住まい手の実験的な姿勢が、日々の暮らしに愛着を持ち続けるための手段の一つと捉えた計画。
published media: Sendai Scale
location: Sendai, Miyagi
program: renovation, residence
total area: 66 m2
date of completion: August 2015
architect: studio niko (Naohiro Sasamoto), ecola inc.
photo: Rim-Rim (Atsumi Hamada)