2018
YT-1 Bulding/複合ビルのエントランスと専有室の改修
YT-1ビルは、洗足池からほど近い鉄骨二階建ての複合ビルである。2002年の竣工以来、数度の改修工事を重ね丁寧に使われてきた。今回はエントランスホールと2階の一室を改修した。
2階の他の3室は、「工房生活」というコンセプトのもと、既に設計事務所により改修されており、今回はそれに続く改修工事となった。自由に使える独立壁や壁一面の棚など、SOHO的な使い方を想定していたコンセプトはそのままに、素材や色、自然光の関係を調整し、創造的行為によりセンシティブになれるような空間づくりを目指した。さらに、自由度の高い空間での行動のきっかけとなるような移動家具を導入し、生活スタイルの変化に追従できるようにした。
エントランスに関しては、強烈な光を落ち着かせる青い壁と熱戦反射フィルムの導入により、熱環境を環境的にも視覚的にも改善するように計画した。学習塾に通う子供たちが触れる壁は、一部にMDFを貼り、触りたくなる壁をつくることで、他の部分が汚れにくいようにした。
インダストリアルな建物の雰囲気と光環境のバランスをとることで、既存の建物や既存の設計ルールを捉え直し、機能を担保しながらも新しい雰囲気を与えることを目指した。
location: Ota, Tokyo
program: renovation, entrance hall, residence
total area: 26m2(entrance), 48m2(residence hall),
date of completion: August 2018
architect: studio niko (Kenya Sato, Naohiro Sasamoto)
photo: studio niko